ベテラン・ジャズピアニスト、ロニー・マシューズの傑作アルバムです。日本を代表するレーベルのひとつEast Windの企画制作によるもので1975年ニューヨークで録音、鈴木良雄(b)、ルイス・ヘイズ(ds)という実力派トリオが素晴らしい演奏を繰り広げています。マシューズは1963年、当時のマックス・ローチ・グループで来日した時の印象から東洋や日本に対する関心を高め、本アルバムタイトルに繋がっています。冒頭の自作曲Ichibanは当時PrestigeでのリーダーアルバムPR7303 Doin’ The Thangが初演ですが、ここではアップテンポで胸のすくようなストレートアヘッドな演奏に進化、他もモーダルで美しいJean-Marie、エレガントなタッチを聴かせるバラードWhen Sunny Gets Blueなど選曲のバランスも良く奥行きと深みを増した表現力は中堅ピアニストとしてのマシューズの成長が窺える演奏となっています。加えてステディなヘイズのスティック捌き、重厚にリズムを刻む鈴木のベースも見事なサポートを果たしています。Japan Original East Wind EW-8018 stereo ジャケットは経年劣化で擦れ、折れ、黄ばみや傷みがありますが盤はノイズはわずかで良好です。すでに市場から消え最近では中々見かけない希少盤だと思います。